錐麓古道について 台湾・花蓮の馨憶精緻民宿の片桐さんから

 
先日、動画を転載させていただいた錐麓古道踏破記録。その錐麓古道について、馨憶精緻民宿の片桐さんに教えていただきました。
 
以下、片桐さんのご説明です。
 
『この道は日本統治時代には「合歡越警備道」と称された全長約100kmの一部で、太魯閣渓谷沿いにある錐麓大断崖を含む10.3kmの古道です。錐麓とは三角錐山の山麓を意味します。
 
この道は第五代目台湾総督、佐久間左馬太による大正3年(1914年)のタロコ討伐後、大正10年にかけて警察隊の編成により切り拓かれた道です。
 
警察行政が目的だった道なので一般の人の往来には適せず、タロコ渓谷観光でも下から山麓の道が僅かに見える程度です。慈母橋から入り、燕子口の出口まで全長10.3kmの古道です。
 
途中には、錐麓駐在所、断崖駐在所、バタカン駐在所(正式名:花蓮港庁研海支庁バタカン警察官吏駐在所)などの遺構や1916年、原住民タイヤル族に馘首された花蓮港巡査班長のお墓があります。
 
圧巻は錐麓大断崖(高さ600mの垂直の壁:台北101ビル508mよりも高い)のほぼ頂上付近にある巾60〜90cmの道からの見晴らしで、眼下には九曲洞、遠望すれば合歡山(3,417m)などの山々が見られます。』
 

photo: Hideaki Katagiri
注:2010年3月27日に掲載した記事の再録です。